イカ釣り漁船および一本釣り漁船のほかプレジャーボートが多数操業・航行する海域であり、十分注意して航行するようにしている。
(二万トン級F、船長)

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6、房総半島沖
勝浦河〜犬吠埼沖の間は、年中小型船や漁船が多く、さらには海潮流による流れが速く向岸流もあり、また大きな汐波も立つ。特に四月〜九月、ころまでは濃霧も多発し、この時期は銚子港から早朝には何百隻の漁船が出漁するので、その場合は本船は通常航路から三〜五海里沖合を航行する。
(七千トン級F、船長)
7、東京湾
@東京湾の入り口にある沖ノ山付近(須崎から十二海里以内の海域)は、水深石メートル以浅であり、低気圧や台風等の接近あるいは通過時には、風浪と複雑な海潮流が作用して比較的大きな波が立つ。波の発生が予想されるときは、沖ノ山周辺の百メートル等深線を一海里以上離してその北側を航行するようにしている。
(一万千五百トン級F、船長)
A浦賀航路〜横浜港、浦賀航路〜東京港の航行船舶が中ノ瀬Cブイ付近でクロスする。周辺海域には停泊船等が多く、早めの速力調整、針路の変更に心掛け細心の注意を払って航行している。
(一万千五百トン級F、船長)
8、伊豆沿岸〜潮岬
神子元島沖三海里付近および石廊崎沖五海里付近で南寄りの風浪やうねりがあるときは、二百メートル等深線内では一層複雑、過大な波に発達することがある。従って荒天時には二百メートル等深線を十分離して航行している。
(一万千五百トン級F、船長)
9、紀伊水道〜友が島本道
@友が島水道南部〜友が島水道内において、四月ごろの朝〜昼にかけて漁船が水路全面を覆い、航行が非常に困難になることがあるが、夜間は漁船がほとんど操業していない。
(一万二千トン級F、船長)
A紀伊水道は全域、低気圧が日本海を東進中に南寄りの風が十メートル/秒以上吹くと、南寄りのうねりが三〜四メートルと高くなる。
(三千八百トン級F、船長)
10、大阪湾
@関西空港沖は、交通量が多いほか漁船も多く、特に五月〜十月間はサワラ流し網漁船が出る。流し網は長さ約二千〜三千メートルくらいで、北(西)端に赤灯、南(東)端に緑灯を、中間には小型浮標が多数ある。特に見張りを厳重にして航行している。
(三千八百トン級F、船長)
A大阪湾内全域について漁船も多く、全体として船の流れが東京湾以上に不規則である。また高速船や旅客船が多く、速力の速い船でも追い越される点に注意しなければならない。
(一万千トン級F、二航士)
11、明石海峡〜播磨灘
@明石海峡航路東方ブイを右舷に見て左転する東航小型鋼船がいるので、付近海域を航行する時には注意が必要である。
(一万千五百トン級F、船長)
A播磨灘は、一年間通して漁船が多い。特に夏〜秋にかけて行われるサワラ流し網漁船には注意を要する。網の入れ始めや揚げているときには、十分距離を保って航行する。夏に南風の場合は、中央付近で大きなうねりが発生し、冬の西風の場合は、明石海峡側に大きな三角波が発生する。
(三百トン級P、船長一12、備讃瀬戸
@小豆島の大月鼻付近から以西の五月〜八月の夕刻、サワラ流し網の操業が始まるが、その時間帯は漁船の灯火はほとんど見えず、現在の漁具標識では発見が遅れ、危険な状態になることがある。
(三百トン級P、船長)
A三月〜八月のこませ網に加えサワラ流し網の盛漁期の五月、東航路が閉塞されることがある。一

 

 

 

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